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2023年04月01日

症例102 突然めまいが強くなった男性

症例


副院長の藤森です。





今回は数週間前よりめまいが強くなり、ひどい時は動けなくなってしまう男性の症例です。




目次



  1. 患者様について

  2. めまいの種類

  3. どのようなめまいだったの?

  4. どのように治療をすすめていったの?

  5. 施術者の思い





患者様について





M様 30代 男性





以前より度々めまいはあったが、ここ数週間のめまいは身動きが取れなくなるレベルで辛いとのことで来院されました。





前後左右上下にふわふわするのが特徴のめまいです。







めまいの種類





「めまい」と一口で言っても色々種類があります。





良性頭位性めまい症:特定の頭の位置や角度によってめまいが発生するとされています。現代医学では「耳石」という耳の中にある砂が頭の位置によって動いたり、三半規管といわれるバランス感覚を検知している器官に入り込んでしまうと発症するとされています。





メニエール病:めまい、難聴、耳鳴りなどを引き起こす疾患です。現代医学では内耳に「内リンパ水腫」があることによって発症するとされています。内耳には三半規管というバランス感覚を検知する器官があります。三半規管のにはリンパ液が入っておりリンパ液の傾きでどの方向に傾いているかを検知しています。このリンパ液が何らかの原因で増えたことによりバランス覚を正常に感知できなくなりめまいを発症するとされています。





小脳性めまい:小脳は身体を運動させるための指示を出す器官です。ゆえにバランス感覚の調整にも関連しています。小脳の梗塞などの物理的な圧迫や何らかの原因で異常信号が入った場合のなどに発症します。代表的な症状はめまいですが、その他に嘔吐・ろれつが回りにくい・手足の運動が上手くできないなどが併発しているケースが多いとされています。





など大きく分けて3種類あります。







どのようなめまいだったの?





M様のめまいはとても判別が難しいものでした。





繰り返すタイプのめまいは基本的に「良性頭位性めまい」か「メニエール病」の機序で発生することが多いのですが、上記3種類の特徴が交じり合って出ていたため判別がつきにくく治療が難航しました。





症状としては浮遊性のめまいで前後左右上下にふわふわしているのですが、頭の位置によってはふわふわ感が増す時があったり、難聴・耳鳴りを発症する日があったり、四肢に力が入りにくい時があったり、ろれつが回りにくいことがあったりと特徴がかなり複雑に混ざり合っていました。





ですので治療を進めつつどのタイプに該当するか反応をみて決めていくことになりました。







どのように治療をすすめていったの?





M様のお身体は非常に繊細で治療の方向性や使用したツボによって症状が軽減したり強くなったりしています。ごくたまにあるパターンですが、症状が落ち着くまでに少し苦労した症例でもあります。こういう改善の仕方をする方もいるという参考になればと思います。





お身体を診察していくと、自律神経が上手く調整できていない・良い状態を維持できないという所見がみられました。自律神経系が乱れてると以下のような現象がおきます。





・感覚神経が敏感になる





感覚神経が敏感になると、基本的には「良性頭位性めまい」のように傾きや方向感覚を感受する三半規管の働きや耳石の動きに対して過敏に反応するようになりめまいを発症しやすくなるということがあります。





・血液・リンパの流れが悪くなる





耳の中の血流やリンパの流れが悪くなると余分な水分がたまりやすくなり、「メニエール病」のような症状を発生しやすくなります。また毛細血管が収縮したり内耳がリンパ液でむくんだりして血流が悪くなると、三半規管や平衡感覚の維持に必要な神経などに栄養が届かず正常に働くことができなくなりめまいを発症しやすくなります。





などが考えれれることから自律神経の調整が必須です。





1回目:症状や診察内容から内耳の循環障害(血液・リンパの流れが悪い)とみて治療。また同時に自律神経の乱れがおさまるように働きかけた。治療後は少しふらつき感が軽減したとのこと。次回は1週間後。





2回目:めまいは前回から特に変化なし。少し胸に違和感を感じる。経過から内耳の循環障害ではないと判断して平衡感覚の感覚過敏とみて治療の方向を転換。





3回目:前回後からふらつきは軽減しているように感じる。ただ天候が悪いとめまいが強くなる。前回と同じツボで治療。





4回目:前回後も数日は症状軽減していたが仕事が忙しくなりストレスが増えた時からまためまいが出てきた。前回と同じツボを使用。





5回目:日によって症状が強く出ている。おおまかな方向性は同じだが今のツボでは刺激が適切ではないと判断。刺激量を減らす目的で背中のツボで治療。





6回目:前回治療後ふらつきが強く感じるようになっている。前回のツボ選びが適切ではないと判断。また少しろれつが回りにくい日や手足に力が入りにくいなどの所見がみられたので「小脳性のめまい」も関連しているのではないかと判断し。自律神経の乱れを調整する方向性はそのままに脳へ向かう血流を上げ小脳や視床下部が栄養されバランス感覚や養われやすく調整。





7回目:前回以降めまいが軽減傾向で20日程度前回より間隔が空いている。日によって多少強弱はあるが、かなり回復しているよう。前回同様の治療を行った。次回以降は基本的に自律神経が日常生活を過ごすだけで少しずつ乱れる傾向にあるので定期的にメンテナンスを(1か月1回)行う、途中でめまいが強くなるタイミングがあれば連絡をいただくというという流れになりました。







施術者の思い





とても敏感なお身体で、症状も複合的でかなり治療が難航したM様、なんとか回復するところまでお付き合い下さりました。正直なところ3回目ぐらいで回復の兆しが見えないケースだと諦めてしまう方も少数ですがいらっしゃいます。どうしても体質や症状によってはなかなか結果が出にくいこともございます。ですがお付き合いいただいてる間に少しずつ体質や傾向がつかめるようになりますので治療の精度が回数を追うごとに上がって、M様のように回復へ導きやすくなっていきます。このような症例があるということを知って頂ければ幸いです。





※全ての方にあてはまるとは限りません。


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