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2023年10月18日

症例109 母指の痛み(CM関節症)でお困りの女性

症例


院長の小畑です。今回は来院の2年ぐらい前から右親指が家事などで使うと痛みが出る症状でお困りだった患者様の症例です。




目次



  1. 患者様について

  2. CM関節症とは?

  3. どのように治療したの?

  4. 回復過程

  5. 東洋医学的見立て

  6. 施術者の思い





患者様について





H様、70代、女性





2年前の発症時、手の専門の整形外科へ受診、痛み止めの注射や処方されたシップで治療するも、痛みが引かず、お困りだったところ、来院されました。







CM関節症とは?





親指の付け根から手首側につながっている骨と手首の小さな骨との間にある関節で起きる炎症です。関節内にある軟骨が何らかの刺激で傷ついて炎症を起こし痛みを発します。物をつまんだり、フタを空ける、ドアノブを回すなど親指に力が入ると痛みを感じる疾患です。





一般的には、使いすぎ・加齢・ホルモンバランスの乱れなどが原因と考えられています。





どの原因も関節の軟骨を変性させたり、硬くしたりして炎症を起こしやすくしてしまいます。







どのように治療したの?





H様を診察していくと、「余分な熱」が発生している身体であるという所見がみられました。東洋医学的な目線で診察をすると大まかに「熱を持ちやすい体質」「冷えやすい体質」かを判別します。熱を持ちやすい体質は頭に血が上りやすい・全身の炎症が起きやすいなどが、冷えやすい人は胃腸の動きが悪くなったり、むくみやすい、身体がこわばりやすいなどが発生しやすくなる傾向にあります。





CM関節症の炎症は、この熱を持ちやすい体質が症状の原因・増悪をさせている要因であると考えました。





H様の治療は余分な熱を発生しにくいようにして関節の炎症を引かせるようにするという方向性で行いました。







回復過程





H様の症例の場合、70代後半と少し高齢である為、他の症例より回復に時間がかかっています。ですので回復するまで約6か月、約15回の治療が必要でした。ある程度調子が安定するところまで1週間に1回、その後は体調の回復をみて少しずつ治療間隔をあけていきます。





1回目:治療直後の変化はあまり無い。





2回目:治療後2日間くらいは少し関節の痛みが楽に感じた。





3回目:痛みをよく感じる。運転時の痛みが少し軽減しているように感じる。





4回目:指の痛みは楽。





5回目:料理で使いすぎたのか使用後は痛みを感じやすい。





6回目:前回同様使うと痛みが出る。痛みの度合いは治療前が10とすると、使っていないときは6、使うと8~9になる。次回から2週間に1回のペースへ。





7~8回目:可動域が以前より上がっている。





9~10回目:痛みがかなり軽減している。以前より指が使えるようになってきた。





11回目:痛みが軽減している状態を維持しているが、親指が腫れている。





12回目:指少し疼きがある。手首が痛むときがある。





13~14回目:指は調子いい。手首の痛みもだいぶ引いてきた。次回より3週間に1回のペースへ。





15回目:指・手首ともに調子いい。調子のよい期間を維持できているので今回で継続治療は終了。現在では月に1回程度のメンテナンスを行い再発を防止しています。





以上のような流れで治療が進んでいきました。







東洋医学的見立て





脈:沈細や弦滑、気分・営分に反応など日によって少し違う





舌:暗紅や紅、絳、尖紅など基本は赤ベース





当初は、腎陰虚、腎精不足があるとみて治療を進めていたが、経過などから心火ベースで熱が発生していると考えた。心火をおろすように働きかけると改善のスピードが上がった。







施術者の思い





CM関節症など、関節の炎症による痛みを治療することは当院ではよくある話です。なかなか治らない関節痛にはもちろん理由があります。今回のH様のように余分な熱が原因で関節の炎症が引きにくくなっているというケースはよくみられます。今回の症例がCM関節症でお困りの方の参考になれば幸いです。


要鍼灸院 とみお院

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