2023年08月02日
8月の養生法
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8月前半は暑さ真っ盛りの日々ですが、後半は残暑の季節になります。
食養生・睡眠のとり方・適した飲み物に関しては7月の養生法を8月にも使えます。
ぜひ先月投稿した7月の養生法もご覧ください!
8月は3つのトピックから夏の養生法をお伝えします!
1.「夏でも冷たいものは摂らない方がいい」のはホント!?
よく東洋医学では「飲み物は温かいものか常温のものしかダメ!」と言われていることがありますが、これは実際のところどうなのでしょうか?
私が多くの患者様を臨床で診てきた経験を踏まえての個人的な意見としては、「その人の体質や状況によって判断すればいい」と考えています。
【冷たいものを控えた方がいい場合】
たとえば、お腹が冷えると下ってしまいやすい人、冷房の中にいると寒くて仕方ない人、風邪をひきやすい人、手足が夏でも冷えてしまう人などは温かい物か常温の物にしておく方が賢明です。
【冷たいものを摂る方がいい場合】
でも、少々冷たいものを食べてもお腹が下らない人は、多すぎなければアイスや冷たい飲み物を摂っても問題はありません。
とくに外にいる時間が長い時などは暑気が体に入って熱がこもり熱中症や熱中症予備軍の症状が出たりします。
そんな時には常温やあたたかいものを摂るよりも、冷たいものを摂る方が明らかに冷却作用があります。運動後、体の火照りや汗が引かないときなどにアイスなどを食べると冷却作用が速やかに働いて、熱のこもりが落ち着くことがあります。
【冷たいものを摂るとしても少量に留めたほうがいい場合】
ただし、1日中冷房の効いた部屋の中で過ごす人は、体にさほど熱がこもっていませんし、冷房で冷たくなっていることもあります。そのような状況では常温の物やあたたかいものの方が良かったりします。仮にアイスが食べたい、冷たいものが摂りたいとなってもアイスなら一つまでとか、飲み物ならコップ1~2杯までは冷たいものでなど冷飲冷食は適量に留めて摂りすぎないようにしましょう。
2. 夏バテを予防するには?
7月の養生でも取り上げましたが、夏バテは暑さや湿度、冷飲冷食、冷房による冷えなどによって胃腸が弱ってしまうことが大きな要因になります。
夏バテしない胃腸を保つには以下のようなことに気をつけてみてください。
【発酵食品を食べましょう】
最近、話題の腸活。腸活の中心は腸内細菌のうち善玉菌を増やすことです。腸内細菌は消化酵素と一緒になって栄養の分解、吸収活動を高めています。
善玉菌は発酵食品に多く含まれているので、キムチ、みそ、納豆、こうじを使った食品などなど発酵食品を積極的に摂ることによって胃腸の活動を高めるように働きかけることができます。
東洋医学の目線では発酵食品を摂ることは、脾気(消化機能、栄養の運用機能)を高め、胃の気(胃腸のチカラ)を助ける働きをしていると考えられます。
我が家では、妻が調味料を全て糀(こうじ)由来のものにする試みをしてくれています。
塩こうじ、コンソメこうじ、中華こうじ、あまこうじ、今田耕司、東野幸治、などなど
様々なこうじ調味料を作り、化学調味料を使う代わりにそれらで味付けをすることで、胃腸の働きも助けるという一石二鳥の天然調味料。
うまく使うと肉や魚がより美味しく、食感も良くなりとても良いです。
ここまでのことはできる人もいれば、手間がかかるのでできない人もいると思います。
ですから夏バテの防止のためにも発酵食品を積極的に摂りましょう!
【滋養強壮・気を補う作用のある食材を摂る】
7月の養生でもご紹介した、山芋、ウナギ、にんにく・しょうがを炒めたものの他にも、アボカド・アスパラガスなどの食材は補気作用(エネルギーを補う作用)があり、疲れやだるさを抑えてくれます。
【甘いものを食べ過ぎない】
7月の養生でも取り上げましたが、甘い物や炭水化物の食べ過ぎは胃腸を疲れさせてしまいます。
胃腸が疲れると、エネルギーの取り込みが上手くいかず、疲労感を感じやすくなります。
ゼロにする必要はありませんが一度に食べ過ぎないように注意しましょう!
特に「食後に眠くなる」方や「お腹を下しやすい」方は胃腸での栄養処理に負担がかかりやすいです。
そのような症状をお持ちの場合はとくに甘い物・炭水化物の量に注意しましょう!
3. 冷房からおきる弊害とその対処法
温暖化の影響で年々夏の暑さがきつくなる昨今、夏を過ごすのに冷房は欠かせないものになってきています。
とはいえ、冷房で冷えることによる弊害もたくさんあるのが実際のところです。
1)ぎっくり腰・寝違いなど、急性関節痛の発症
冷房の冷えは、関節を硬くしてしまいます。急性関節痛は、通常よりも関節が硬い状況になっているときに、日常のなんでもない動作で関節周囲の組織が傷つくことで起きることがほとんどです。
ぎっくり腰なんて、「手を伸ばしたら痛めた」、「せきをしたら痛めた」、「顔を洗って体を起こしたら痛めた」、「気が付いたら痛くなってきた」などなんでもない動きで発症することがほとんどです。
とくに冷房で寒さや冷えを感じやすい人は、仕事中、家庭などで長時間冷房の効いた部屋の中で過ごす際、一枚薄手の上着を羽織るなどして直接冷気が体に当たらないようにしておきましょう。
また、冷房の効いた部屋で長時間寝ていたり、座っていたりした後の動きはじめはゆっくり動き、かるく体操などをしてから動くことをオススメします!
2)冷え性
とくに女性に多いですが、もともと手足が冷える人、お腹が冷える人は、文字通り冷気の中にいると夏なのに冷えがひどくなります。冷えがきつい人は以下のような対応の方法があります。
靴下や薄いひざ掛けで対応する。
生姜が入ったものを食べる、または生姜湯などを飲む。
シナモンを紅茶やコーヒーなどに入れて飲む。
生姜やシナモンなどには陽気を巡らせる作用があります。いうなれば、末端まで温かい血が流れていくことを助けてくれる作用があります。
すねの内側にある三陰交というツボあたりをさすっておくのも温かい血を巡らせるのに役立ちます。
3)風邪
汗をかいているときに、背中に冷房の風邪が当たっていると、開いた毛穴から冷気が侵入し、一気に免疫力が下がり風邪をひきやすくなります。
汗はしっかり拭いて、背中や首が露出しすぎた状態で冷風に当たるのは避けましょう。
首にタオルなどをかけておくのも一つの手です。(→女性はしにくいかもしれませんので、綿や麻などのショールなどを巻いておいてもいいかもしれません。)
冷房の中で眠っていて起きたら体がだるく感じたり、肩が凝っていたり、頭が重く感じたら、風邪の引きはじめのサインです。このタイミングで葛根湯などを飲んでおくと、本格的な風邪を予防できます。
4)汗をかかないことで水分代謝が落ちる。また熱中症になりやすくなる。
夏は本来、たくさん水分を摂る分、汗と尿でしっかり水分を出す。という水分の出し入れのサイクルがほかの季節より早い状態が体として理想的です。
「外が暑いから」、「汗をかくのが嫌だから」といって冷房の効いた部屋の中ばかりで過ごして夏に汗をかかないでいると取り込んだ水分が体に溜まり体がだるくなります。体に水分が多いと、胃腸の働きが落ちやすく、疲れやすくなります。このような状態が続くと夏バテにつながっていきます。
ですから、適度に汗をかいておくというのは夏には必要なことなのです。
なにも真昼間に外で歩いてくださいとは言いません。熱中症アラートが出ている時間帯は自殺行為です。無理はしないでください。
朝夕の涼しい時間帯でもいいです。外の空気にも触れ、適度に散歩するなり運動をするなりして、体の汗をかく機能をある程度働かせておいてください。
それが結果的に、体の水分代謝を上げ、夏バテを予防になります。また、汗がかけて体温を下げる機能が働いていたら熱中症になるリスクも下げられます。
養生をしても、ダメな時、なんとなくしんどい時は鍼灸治療を!
養生をしていても、上記のような状況をうまく防げないときもあります。
図らずも、上記のような症状が何か出てしまったら当院にご連絡ください。
また、「むくみやすいな」「疲れやすいな」「肩や背中が張るな」などと思っているときは『未病』の
サインです!!
そんな時は未病のうちに鍼灸治療を受けて対処しておきましょう!
未病のうちに治療をしておくと、何度も治療する必要がありません!
そして体調がプラスに転じて、元気に毎日を過ごせます!
今すぐご連絡ください!
※未病・・・不調や病はまだはっきりと表れていないが、そこに確実に向かっている状態。
要鍼灸院
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