こんにちは、副院長の藤森です。

今回は全身が重だるく疲労感がなかなか取れずお困りだった患者様の症例です。

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目次

1. 患者様について


2. 原因はなに？


3. どのように治療した？


4. 東洋医学的見立て


5. 施術者の思い

患者様について

K様　４０代　男性

ここ最近、全身にだるさを感じることが多くなり、睡眠を摂っても疲労感がなかなか抜けない。その他に背中と腰の張りや痛みがあり特に疲労時に強く感じることが多いとの事でした。

原因はなに？

K様のお身体を診察していると、見えてきたことがいくつかありました。

その１．胃腸が弱っている

胃腸が弱っているだけでありとあらゆる不調が出やすくなります。というのも人体は食べたものの栄養をもとに回復をしているからです。栄養の受け皿である胃腸が弱っていると必要な栄養が吸収しにくくなり疲労の回復が遅れます。これが疲労感や全身のだるさの原因の一つになっていると考えました。

その２．食べ過ぎている

胃腸が弱っている原因の一つに食べる量が多いというのが考えれました。胃腸の力は年齢を重ねるごとに弱っていきますが、食べる量が若い頃と同じであれば必ずキャパオーバーになります。

その３．背中・腰の筋肉に必要な栄養が送られていない。

背中や腰の筋肉は力を発揮するためには栄養が必要です。また筋肉を使えば疲労がたまり回復に栄養が必要になります。胃腸が弱って必要な栄養が不足すると筋肉の疲労がたまり疲れやすくなり、本来の筋力を発揮しにくくなります。これが背中・腰の痛みの原因と考えました。そこに仕事の影響も相まって症状が出やすくなっている状況でした。

どのように治療した？

基本的には胃腸の働きを良くして回復しやすくするという方向性で治療を進めました。

最初の３回は１週間に１回のペースで行いその後少しずつ間隔をあけていきました。

１回目治療後：体のだるさや、常時の背中の張り感、腰を反った時の痛みがあったが、治療直後はこれらすべてが軽減。

２回目：常時の背中の張り無くなっている、仕事で疲労したときなどは出る。腰痛も軽減している。体のだるさは感じる。

３回目：だるさは気にならなくなってきたが、腰が少し痛む。次回２週間後。

４回目：全体的に調子が良い。２週間目の最後に少し腰痛を感じ始めた。

ここぐらいからは安定感が出て以前のように症状が出ることはなくなっています。ここからはいい状態が維持できるようメンテナンスを行っていきます。

５回目：２週間調子を保てている。少し腰痛を感じるタイミングがあった。

６回目：２週間目より少し腰痛と体のだるさを感じる。右肩に痛みがあるが治療後には感じなくなった。次回３週間後。

７回目：腰痛・肩の痛みは感じない。だるさは少しある。

以降はだいたい１か月に１回のペースでメンテナンスを行い調子の維持をしています。

K様の場合、症状の軽減まで３回くらい、それ以降は調子の維持をしやすいようにしていくという流れになりました。

東洋医学的見解

※ここからは専門的見解による解説を行います。興味のある方はお読みください。

脈：沈緩やや細滑、気分・営分に反応あり。

舌：やや胖大

その他：寝つきがわるい、夜中目が覚める、眼精疲労、食欲旺盛、足が冷える、寒がりなどの所見がありました。

以上の所見から、脾腎陽虚→脾虚→心脾両虚（そこまで顕著ではないが）という流れがあると考えました。

使用したツボ：太白、復溜、水泉、然谷、照海、太谿

施術者の思い

体のだるさや疲労感などの問題は胃腸の働きを改善することで改善していくこともあります。とくにK様のようにご年齢も若く、元々の体がそこまで虚弱ではない方は患者様の症状の回復はスムーズに進むことが多いです。

だるさや疲労感など病気ではないけいれども不快な症状がある場合、鍼灸治療が有効であることが多くあります。ご参考ください。

（※症例によって個人差はありますので、全ての症例に当てはまるものではありません。）