2019年05月13日
症例25 甲状腺機能亢進症に伴う目の疲れ、痛み
症例
こんにちは。今回は甲状腺機能亢進症による眼球突出をお持ちの患者様が訴えられた目の疲れやすさや鈍痛の症例です。
目次
患者様について
C様50代 女性
最も困っている症状 : 目の疲れと鈍痛、肩こり
その他病歴: 眼球突出より甲状腺機能亢進が発覚。便秘
肩こりと右目の重い痛み、頭痛などを訴えてご来院されたC様。
甲状腺機能亢進症からくる眼球突出をお持ちでした。
所見
甲状腺とは.....体の代謝を上げるホルモンが出る器官で、ここの働きが異常に強くなり、体の代謝を上げすぎてエネルギーを使い過ぎてしまうのが甲状腺機能亢進症です。
この病気の特徴として、目が前にせり出してきてしまうという症状がでます。
目の鈍痛がそれと直接に関係しているのかしていないのかはっきりとはわかりませんが、医師の先生には眼球がせり出すことによる眼球周囲の筋肉の炎症が原因ではないか、と言われているとのことでした。
首肩の症状に関してはご本人は肩こりがきついというふうにおっしゃっていました。
ただ、よくみると単なる肩首のコリだけでなく、実際には頚椎症という症状を伴っていました。
頚椎症とは・・首周囲の筋肉のコリなどがキツくなった結果、首の骨の関節を狭めてしまい、狭まった関節がその隙間から出てくる神経を圧迫してしまうという病気。肩や肩甲骨の間、腕などに鈍痛やコリ感、シビレが出る。頭を上に向けると上記の症状がキツくなる。
目の症状に関しては、色々と傷めている部位を「推測する」ことはできました。
しかし痛んでいる部位がどこなのかを調べるための検査も存在せず、明確な部位まではわかりません。
しかし、みる角度を変えて、東洋医学的に体をみると体がどんな状態で、どこに対処すれば良いかはわかるのです。
東洋医学ではその人の持つ様々な症状は内臓の働きと関係があると考えます。
たとえば肩こりの原因が食べ過ぎで胃腸に負担をかけていることだったりします。
そんなことが本当に関係しているのか?
と思う人も多いでしょう。でも大いに関係があります。
この患者様の場合、ストレスをためやすい性格をしておられること、甘いものやパンなどが好きで糖質を摂り過ぎている事が診察から見えてきました。
ストレスは肝臓に負担をかけます。脈診からは物事をうつうつと考え続けてしまう傾向があることが見てとれました。
また食の面からは糖質の取り過ぎも肝臓に負担をかけます。
そんな中で、肝臓の高ぶりを減らすことがC様の症状を軽くするキーとなると考えました。
治療と経過
主に使ったツボは肝臓の高ぶりを沈め、ストレスを減らす足の甲のツボ。肝臓の機能を高める膝の内側のツボ。胃腸の働きをうながす脚のスネのツボ。首肩と大腸の動きを良くする肘のツボ。など。
はじめは1週間の間隔で4回ほど治療。
すると首肩の痛みがどんどん落ち着いて、肩こりを少し感じるという程度の症状まで改善。
目の鈍痛が5割ほどになったもののまだ残っている。
という状態でした。
きつい症状が弱まったので間隔をあけて10日〜14日の間隔でさらに5回ほど。
ここまで治療を行った段階で肩の痛みはほぼない状態。
肩こりを少し感じるくらいでした。目の鈍痛は2割ほどになっていて、痛みはないけれども少し違和感を感じる程度になっていました。
症状が全体に落ち着いたので、そこからは目的をお体のメンテナンスに切り替え、目の鈍痛に関しては引き続き軽減させる治療を3週間に一度のペースで続けていただいた結果、7ヶ月が経過した頃には目の違和感もほとんど訴えられることがなくなりました。
この方の場合、肝臓の機能の高ぶりが肩こりや目の症状として現れていました。ですから肝臓機能の異常な高ぶりを抑えると目の症状や肩こりがラクになったという症例でした。
その後、膝の痛みや腰の痛み、イライラなどストレスのケア、便秘など様々な症状が出てくる中でその都度お悩みを聞きながらお体のメンテナンスのために月に1〜2回通院されています。
※当院では治療からの卒業を目標に通院いただいていますが、病の予防や日々のメンテナンスの重要性をご理解いただけた方はそのまま通院を続けられているケースもあります。
主に使ったツボ
太衝、行間、足三里、陰谷、曲泉、曲池、陽陵泉、大腸兪など
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