2019年05月09日
症例23 背中や脇が痛む女性(肋間神経痛)
症例
こんにちは。今回は背中から脇にかけての痛みでお困りだったBさんの症例です。
目次
患者様について
Bさん女性50代
整形外科では痛みの要因がわからず、痛み止めの注射や理学療法士さんのリハビリを受けるもなかなか良くならず困っておられました。
そんな中、ある鍼灸整骨院にて針治療を受けられました。
施術後は痛みがやや増幅する傾向があったものの、「必ず治りますよ」という先生の言葉を信じ、回数券を購入。しばらく治療に通われたとのことでした。
が、そんなある日の治療後、痛みが急激に増幅。
そこから痛みがひどくてご飯もまともに食べられないという日が続き、やっと少し落ち着いてきたところで当院にお問い合わせがありました。
最初にお問い合わせをいただいた段階で、針でそんなに怖い思いをしたという状況の中で、当院にお問い合わせをしていただけたことがとてもありがたかったです。
と、同時に「鍼灸治療の印象が私の技術や対応次第で決まるから責任重大だ」とも思いました。
所見
Bさんはお電話でお話した段階では、「肩のコリが原因でその影響で背中の方まで痛んできた。前に針をしてもらった時に便秘の針をしてもらった後から背中と脇が急激に痛み始めた。」とおっしゃっておられました。
この段階で、Bさんは自己診断や思い込み、症状の原因の決めつけをしてしまうご性格をされているなと感じました。
特別に根拠はないにも関わらず痛みの原因をご自身で断定されていたからです。
どうもこれはみてみないと本当の原因はわからない。
でも推測できたのは「おそらく自律神経失調を持っておられて心も病んでしまいやすく、ストレスをためやすい。そこからくる肋間神経痛の可能性がある。
それに、針をした後に痛くなったのは便秘の針が問題だったのではなく、刺激量が多すぎたことが原因ではないか。自律神経が不安定な方はとても刺激に対して敏感になっていることが多い。」
ということでした。これは私の経験からの勘です。
実際にご来院いただいた際、お会いした印象と顔色、表情から、やはりかなり考えすぎて精神的にもつらい状況になっていることがうかがえました。
痛みの位置は、背中から脇の部分、また時折のどが詰まった感じがして息がしにくくなるとのことでした。
脈やお腹の筋肉の張り方、舌の状態を診てやはり私の想像通り、ストレスからくる肋間神経痛の可能性が高いという判断をしました。
まず、私はこう説明させていただきました。
「Bさんがこれまで考えてきた病の要因は一旦全て忘れてリセットしてください。そして、治すために何をすべきか今からご説明します。」
まずお身体の正確な状態を知っていただく必要があると感じたからです。
現在地がわかってはじめて、治るためにどうすれば良いかが見えてきます。
治療と経過
またお身体は敏感であると判断しましたので、針をする本数、治療時間も出来るだけ少なくする方向で施術を進めました。
具体的には、足のツボ、膝の内側のツボを使い、お身体とココロの緊張のゆるめ、またすぐに緊張が戻ってこないようにするための予防のツボに針をしました。
すると、施術直後に「背中の痛みが軽くなった」とBさんがおっしゃったのです。
そしてドヨンとしていた暗い表情は緩み、明るく笑ってお話できるようになっていました
その時点でその日の施術は終了。針の本数は3本でした。
1週間後にご来院いただきました。
すると、症状がかなり軽くなっており、その間の1週間はとてもラクに過ごせたとのことでした。
まだやや背中に違和感は残るので引き続き施術をすることに。
前回の治療効果がまだお身体に残っている兆候があったので前回よりも針を一本減らし、同様の施術を行いました。
さらに3週間後にご来院された時には、ある程度症状が軽いまま状態は保たれていました。
そこで同様の施術を行い、よく食べるようになっておられて少し胃腸に栄養が詰まっていたので胃腸の処理力を上げる施術も行いました。
その後、Bさんの症状は軽減されておりますが、自律神経に関わる症状はすぐには安定しません。
安定させていくには施術間隔をあけながら5〜6カ月は施術を続けた方がいいのでその旨をお伝えし、これから体調を安定させるためのメンテナンスの治療に移行しています。
これからもBさんのお身体やココロの状態が本当の意味で落ち着いたと言える状況になっていただけるよう引き続き施術を行ってまいります。
施術後に見ることができたBさんの笑顔がこれからも続いていくように。
使用した主なツボ
太衝、陰谷、足三里
NEW ARTICLE
ARCHIVE
- 2024年11月
- 2024年10月
- 2024年9月
- 2024年8月
- 2024年7月
- 2024年6月
- 2024年5月
- 2024年4月
- 2024年3月
- 2024年2月
- 2024年1月
- 2023年12月
- 2023年10月
- 2023年9月
- 2023年8月
- 2023年7月
- 2023年6月
- 2023年5月
- 2023年4月
- 2023年3月
- 2023年2月
- 2023年1月
- 2022年12月
- 2022年11月
- 2022年10月
- 2022年7月
- 2022年6月
- 2022年5月
- 2022年4月
- 2022年3月
- 2022年2月
- 2022年1月
- 2021年12月
- 2021年11月
- 2021年10月
- 2021年9月
- 2021年8月
- 2021年6月
- 2021年5月
- 2021年4月
- 2021年3月
- 2021年2月
- 2021年1月
- 2020年12月
- 2020年11月
- 2020年10月
- 2020年9月
- 2020年8月
- 2020年7月
- 2020年6月
- 2020年5月
- 2020年4月
- 2020年3月
- 2020年2月
- 2020年1月
- 2019年12月
- 2019年11月
- 2019年10月
- 2019年9月
- 2019年8月
- 2019年7月
- 2019年6月
- 2019年5月
- 2019年4月
- 2019年3月
- 2019年2月
- 2018年11月
- 2018年10月
- 2018年9月
- 2018年7月