2019年04月25日
症例18 肩が痛くて眠れない男性
症例
こんにちは。今回は五十肩の症例をご紹介します。
目次
患者様について
50代、男性、公務員(デスクワーク)
肩が眠れないほど痛かったこちらの男性
8ヶ月ほど前から徐々に痛みが増してきていましたが、ここ最近痛みがひどく、夜寝ている時も痛いとのことでした。
肩の前後が痛く、関節の中の方でチクチク、引っ張るような痛みを感じるとのことでした。
所見
五十肩は本来、人によって異なりますが、だいたい半年〜1年の経過をたどりながら完治にいたる病気です。
そのうち前半が痙縮期。
炎症が強く、じっとしていても眠るのも苦痛なくらい痛みが強い時期です。
半ばからは拘縮期。
肩が固まって動かなくなり、動かすと痛む傾向になります。
後半が回復期。
だんだん痛みが引き、固まっていた肩関節も少しずつ動くようになります。
今回の方は前半の痙縮期から拘縮期に移行している段階あたりだった患者様です。
高血圧、高脂血症、糖尿病をお持ちで、体格も大きく皮膚の油分が多い傾向。
脈は突き上げるようで散り気味。舌はコケが白と黄色のベチョベチョで青紫色の斑。
胃腸が疲れて栄養や水分が体内に余っているのと、冷えや血流の悪さも見えました。8月のご来院だったので、この季節特有の暑さを体に溜め込んでいる脈も感じました。
食の不摂生などから体内に栄養と水分が余り、それが関節や腱のむくみを引き起こし、痛みが生じていると考えました。また胃腸の働きが落ちて、体を温められず、血流も低下しているとみました。
治療と経過
痛みの軽減がメインの治療ですので、痛みの軽減をメインにしつつ、胃腸に力をつけて、体内に余った水分や栄養を処理する治療を少し入れました。
肩痛の軽減に肘やスネやふくらはぎ、手足の爪の横のツボ、足の甲のツボなどを使用。
また、背中にある胃腸に力をつけるツボに温灸を施しました。
すると施術を行うごとに痛みが5割ほどに軽減し、可動域が広がりました。
胃腸が動くと舌のベチョベチョのコケの水分が減っていくのを確認。
余分な栄養があるので、甘いものや油っこいもののとりすぎには注意していただくようお伝えしました。
本来は五十肩の治療は症状のキツさに応じては最初1週間に一度〜二度くらいのペースで施術を行います。
本件では患者様のスケジュールのご都合で、このような施術を2週間に1回のペースで、3回行ったところで、痛みが3〜4割程度に軽減し、可動域もかなり広がったところで、患者様自身がある程度満足されたので一旦様子をみることにしました。
その後、一年後の来院時に「あのあと肩の痛みは時間とともに軽くなっていった。今では全く痛みがない」とのご報告をいただきました。
五十肩と胃腸!?
一見関係のないようにみえる両者も東洋医学という目線でみると、大きな関わりがあります。それが現れた症例でした。
使用したツボ
曲池、条口、承山、公孫、臨泣、脾兪、心兪、手足の井穴
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