2018年11月20日
症例3 目の奥の痛みでお困りの女性(三叉神経痛)
症例
今回は目の奥の強い痛みを訴えた女性の症例をご紹介します。
★目次
1.患者様について
40代前半 女性
最も困っている事: 目の奥、鼻の上、頭が痛い
初回来院時、3週間ほど前から目の奥や額のあたりがズキズキと痛み始めて、様々な科目の病院を受診して薬を処方されるも症状が落ちつかず、当院にご来院されました。
2.これまでの経過
〈それまでの通院歴〉
脳神経外科:右の顔にひきつりがあると言われ、ビタミン剤を処方された。
眼科 : 近視とドライアイを指摘され目薬を処方されるも落ちつかず。
耳鼻科 : 副鼻腔炎と言われ薬を数種類(抗生物質を含む数種類と桂枝加朮附湯)処方されしばらく服用するも痛みが落ちついてこない。
伴う症状 : 夢をよく見る、眼精疲労、ドライアイ
痛みはズキズキときつく、眠れないこともあるので辛くて困っていらっしゃいました。
3.西洋医学的推察
他の治療歴から、それらの病名を差し引き、症状の種類をしぼりこみました。
その結果、痛みの部位や痛みの出方から、目の奥の痛みは、顔の感覚をつかさどる三叉神経の第1枝という部分の痛みではないかと考えました。
4.東洋医学的見立て
神経痛の場合、原因が特定できないことが多いですが東洋医学ではいくつかの原因が考えられます。
かんたんに言うと、カラダの外からの問題か、カラダの内側の問題かにわけられます。
診察をしてみました。
脈や舌の状態、それから目の疲れやドライアイという症状から血の中の栄養が足りない血虚という状態だと判断しました。
東洋医学では血虚は筋肉のひきつりや皮膚のかゆみ、または痛みを引き起こすことがあります。
これを風を生むといいます。
つまり、カラダの内側の要因が引き起こした痛みだということです。
そこで、
血を補う
ひきつり・痛みを止める
痛む部分の痛みどめをする
というテーマで治療を行うことにしました。
5.治療期間のめやす
施術期間に関しては神経痛の場合、痛みがどんどん減ってスムーズに改善するというより、多少の痛みの増減を繰り返しながら徐々に痛みが減ることが多いです。ですので週1回の治療で2~3ケ月みておいてほしいというお話を最初にさせていただきました。
6.選んだツボ
その結果、足のスネのツボ、膝の内側のツボ、腕のツボ、首のうしろのツボなどを選びました。
【主に使ったツボ】
足三里、陰谷、風池、合谷、外関
7.施術後の経過
1診目の治療後、その時点での痛みが消えました。
ただし、しばらく痛みが消えていましたが、次の日くらいにまた痛みが出てきたとのことでした。
方向性は間違っていない!
4日後の2診目も同じテーマで治療。
すると!痛みが減った状態が4日ほど続いたとのことでした。
さらに4日後の3診目の施術後は5日ほど痛みが少なかったとのことでした。
施術間隔をあけた8日後の4診目、同様の施術を行いましたが2日後に痛みがキツく来院。
施術内容はほぼ同じでしたが、カラダが良くなってきているのに針の本数が同じでは、その時点でのカラダにとって刺激が過剰になることがあります。
急きょ行なった5診目では針数を一本減らし施術を行うと痛みはきれいに引きました。
さらに5日後、6診目を行なった時には痛みがほぼ落ち着いていました。
そこから念のために2週間後に7診目を行いましたがそのまま痛みは引いていたので、ご卒業いただきました。
血虚という体質の方は、ストレスを溜めやすく、イライラしたり、不安になったり、悩みをため込んだりしやすいです。
精神的に不安定な人はカラダも不安定になります。
施術をしながら患者さんに日常のことを伺うと、日頃の家事やパートに加え、お子さんの子ども会の仕事などでとても追われていてなかなか休めていなかったようです。
頭とカラダを使い過ぎて血を消費し過ぎてしまった。
そこに原因があったようです。
日ごろ知らないうちに頭を使いすぎたり考え込んだりしすぎて血を消耗している。
自分では気づかずにそうなってしまっている方も多いです。それが急にカラダに不調をもたらすこともあります。
かんたんに言えば
ストレスが神経痛を引き起こした。
けっこうよくあることです。
それを目の当たりにした症例でした。
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