2025年11月01日
症例129 ストレスによる股関節痛でお悩みの女性
症例
こんにちは!副院長の藤森です。
今回はタイトルの通り、股関節痛でお悩みの患者様のちょっと変わった症例です。
※目次の項目をタップ・クリックで項目の部分までジャンプします。
目次
患者様について
S様、50代、女性
ここしばらく股関節の痛みがなかなか引かないといって来院されました。ちょうど2ヶ月ほど前より転職をしてそれ以降だんだん痛みが強くなってきたとのことでした。
どのような状態?
左右の股関節(特に右側)が重い荷物を持ったり、負担をかけたりすると痛みが出やすい、股関節の屈曲(膝をかかえる動作)でも痛みが出るという状態でした。
診察をしていくと、数年前にも同じような症状が起きたことがあるとのこと、それまでにも数回同じように発症しているという状態でした。
一見すると、痛みが負荷をかけた時に出ているので「股関節を傷めている」と思われがちですが、これ・・・実は違うんです。
診察をして、お話を伺っていくと、これまで発症した時にはいつも強い疲労やストレスがあったということがわかりました。
強いストレスや疲労が原因で「股関節痛」が出ているのかもしれない・・・っということが言えるのです。本当に股関節を傷めて痛みがあるのならば「ストレスで痛みが増す」ということは起きないからです。
ストレス・疲労で痛みが出るとは?
強いストレスや疲労がかかると、身体では「自律神経」が乱れます。自律神経は体の約90%の機能を調整している神経なのですが、痛みなどを司る「痛覚」などの感覚器の調整も行っています。
自律神経が乱れることで「痛覚が過敏」になり何も傷めていないのに痛みが出るということが発生します。
股関節周辺の痛覚は「腰の神経」が一番関係しています。
腰から股関節に向かう神経が自律神経の乱れの影響を受けて、股関節周辺の痛覚が敏感になって痛みが出ているということになります。
治療は?
治療は、乱れてしまっている自律神経の働きを整えることがテーマとなります。そうすればだんだん痛覚が正常になっていき症状が改善していきます。
このような神経痛は、何が原因で発症しているかで症状が落ち着くまでの期間が変わります。S様の場合、転職してからの2ヶ月ほどの短い期間での発症ですので基本的には早く治りやすいものではあります。
治療頻度としては1週間に2回からスタートしていきました。
1回目:左右の股関節痛があり、特に右側が痛い。重い物を持ったり負荷をかけると痛みが出やすい。ストレスがかかると痛みが増強する。施術後に股関節への負荷をかけると少し痛みが軽減しているようでした。
2回目:痛みは少し引いた状態になっているが、ストレスを感じると増強する。
3回目:痛みは引いてきている。ストレスによる痛みの増強も少し軽減。
4回目:ある程度痛みが引いている状態でキープできている。ここまで約2週間ほどで回復しました。
ただ、このタイミングでは通常は、1週間に1回にして痛みが引いている状態をキープできるようになれば2週間に1回にしてという流れで再発しないようにしていくのですが、
お仕事を退職されて遠方へ行かれるということで治療はこの段階で終了となりました。
施術者の思い
最後は退職という形で施術が終わってしまいましたが、そもそも仕事が原因で発症していましたので辞めてしまえば、自然に症状が回復していくことがほとんどです。
自分の置かれている環境のせいで体調が悪くなっている方は、正直言ってかなり多いです。
仕事であったり、家庭であったり、学校であったり原因は様々ですが、どれもそう簡単に環境を変えることができないものばかりです。
通常はこのしんどい環境でも体調が良い方向へ向かうように治療をして適応できるようにしていきます。
でも、一番即効性があって効果が高いのは「環境を変える」ことなんです。
環境を変えることが許されるのならば、変えた方が確実に元気にはなれます。
最後になりましたが、今回のケースのように何か傷めた記憶が無いのに痛いところがある場合は環境などのストレスがないか、疲労がないか思いかえしてみて下さい。自律神経の問題が隠れているかもしれませんよ。
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