2025年01月18日
症例123 過敏性腸症候群でお悩みの男性
症例
こんにちは。副院長の藤森です。
今回は数年前から様々なタイミングで発生する腹痛や下痢が来院の1ヶ月前から頻発して生活に影響が出ていた患者様の症例です。
※目次の項目をクリックまたはタッチするとその部分までジャンプします。
目次
患者様について
A様 10代 男性 学生
数年前よりストレスがかかった時やそうでない時など色々なタイミングで腹痛や下痢の症状が出るようになった。
昨年に腸内フローラ移植を行ってからはしばらく落ち着いていたが来院1ヶ月前より再発した。
過敏性腸症候群とは?
まず「過敏性腸症候群」とは、急な腹痛、激しい下痢・便秘などを繰り返す疾患で、小腸や大腸を調べても問題がみつからないことがほとんどです。
過敏性腸症候群はいくつかのタイプに別れます。
下痢型・・・急な便意、激しい下痢、急な腹痛、何度もトイレに行く(特に朝)、ストレスがかかると腹痛・下痢が発症しやすい。
便秘型・・・ストレスがかかるとトイレへ行きたくなる、便秘を繰り返す、コロコロ便が出やすい。
複合型・・・下痢型と便秘型を交互に繰り返す。
ガス型・・・おならが頻繁に出る、お腹が張る。
などのタイプがあります。
どのような状態?
A様の場合、ストレス時にもそうでない時にも腹痛が発生しやすく、同時に下痢をすることが多いようです。便秘をする場合もあるようで前述の「複合型」の過敏性腸症候群であると判断しました。
診察をしていくと「自律神経の失調」「体力(元気)の低下」がみられました。
小腸・大腸の働きは「自律神経がコントロール」をしています。腸は「蠕動運動」という運動で内容物(便)を外へ出すために前へ前へ進める動きを行っています。同時に消化・吸収を行い便が柔らかくなりすぎたり、硬くなりすぎないように調整しています。
自律神経が失調することでこの正常な便のコントロールが狂い下痢をしたり便秘をしたりします。
また自律神経が失調すると腸の運動や感覚を過敏にさせてしまうことがあります。
腸が過敏になると少しの刺激(ストレスや食べ物など)があるだけで過剰で必要のない動きをしてしまいます。
通常の腸の動きでは痛みは出ないのですが、過剰に働き収縮や蠕動が起きすぎると腹痛などの痛みを発すことがあります。
また「体力の低下」についてですが、体力低下と自律神経の乱れは比例して発生しやすい傾向にあります。
自律神経の調整には実はエネルギー(栄養)を使います。食欲不振でごはんが食べられない・・・、病気でげっそり痩せた、など明らかに体力が低下してそうな人はエネルギー(栄養)が不足しています。
必要なエネルギーが摂れていない、病気や過労などでエネルギーを過度に消費しているなどがあると自律神経の調整に必要なエネルギーが不足して自律神経は乱れるようになっていきます。
A様の場合はもともと体質的に体力が有り余っているようなタイプではありませんでした。そこに受験などの勉強のストレスや疲労でエネルギーを消耗→自律神経が乱れ始める→胃腸の働きが悪くなる→エネルギー(栄養)が不足する→より自律神経が乱れる→さらに胃腸の調子が悪くなる→過敏性腸症候群を発症という負のループによる流れがあると考えました。
治療は?
A様の治療で大事なのは消耗してしまった「体力」をつけ直すということが一番大事になります。
そのために必要なエネルギー(栄養)が体に入っていく必要がありますので、まずは胃腸が少しずつ正常に働き栄養を吸収できるようにしていきました。
治療1回目:主な症状は色々なタイミングで発生する腹痛と下痢。症状のせいで学校に行けないことがある。最初の数回は1週間に2回の施術から開始。
2回目:前回後2日は腹痛や下痢は無かった。その後2日は腹痛があった。便秘気味。食欲がない。
3回目:1週間で2日学校へ行けた。腹痛や下痢は無かった。次回から1週間に1回の頻度で治療する。
4回目:便秘(3日に1回ぐらい)、腹痛あり、食欲ない、夜間に発汗する。
5回目:腹痛は軽減、学校は1回でだけ休んだ。2~3日に1回通じがある。夜は食欲出てくる。
6回目:腹痛は無し。通じは2日に1回、寝つきが悪い、ほてりを感じる。
7回目:先週よりは全般的に調子が良い。通じは2日に1回、食事も問題なく食べている。寝つきは良くなった。ほてりも感じない。
8回目:1回休んだ。1週間の内前半は調子が良かったが、後半は途中で目が覚めたり、ほてりがあったりした。腹痛などは大丈夫。
9回目:お腹の調子は良い。便通は2日に1回。食事もちゃんと食べれている。夜になるとほてりを感じる。
10回目:お腹の調子は良い。食欲も出ている。ほてりは日による。
11回目:調子は良い。ほてりも少し軽減している。
12回目:調子よい。次回から2週間に1回の頻度へ
13回目:2週間経つがお腹の調子はよい。
14回目:2週間中1回だけ休んだが基本的に調子はよい。
以降2週間に1回の頻度で治療を行い改善とともに頻度を空けていく予定です。
約3ヶ月の治療期間で日常生活を普通に送れるレベルまで回復しました。
以降は頻度を空けれるところまで空けながら、良い体調を維持できるようにメンテナンスを定期的に行っていきます。
施術者の思い
過敏性腸症候群は弱いものだと「食後にお腹をすぐ下す」や「仕事や学校に行く前にお腹を下す」など日常的に発症しているがあまり気にならないものがあったりします。
このように何かの刺激があるとお腹を下しやすい方は体調が悪くなるとA様のように過敏性腸症候群が悪化して日常生活に影響を及ぼす可能性が高くなります。
お腹が弱い方は日頃からケアをしておくと過敏性腸症候群になるリスクを下げることができます。
もちろん発症してしまっても大抵のケースで改善可能ですのでお問い合わせくださいませ。
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