こんにちは。院長の小畑です。

今回は、更年期に発症しやすい「不眠」「ほてり」などに加えて「光をまぶしく感じる」といった症状をお持ちだった患者様の症例です。

目次

1. 患者様について


2. どんな状態が考えられる？


3. 治療は？


4. 施術者の思い

患者様について

M様　５０代　女性

睡眠は寝つきが悪かったり、2時間半ごとにめが覚めたりする。

ほてりは、頭が熱くなったりそれに伴って、大汗をかいたりする。

また光がまぶしく感じる、ひどい時には頭痛や吐き気を伴う「光過敏」の症状があるという状況でした。

どんな状態が考えられる？

更年期ではホルモンバランスの乱れに伴って、自律神経失調症の症状が発生します。

自律神経の一つである「交感神経」が働きすぎると、基本的に体は活動的な状態になります。夜間に活動的になってしまうと睡眠を妨げることになるので「不眠」の症状が出やすくなります。

ほてりの症状は、「ホルモンバランスからくるもの」と「自律神経の乱れからくるもの」の２つからくることが多いです。

女性ホルモンが出にくくなると脳は女性ホルモンを出すように促すホルモンを分泌します。このホルモンには「体温上昇」をさせる作用があり「ほてり」「発汗」が発症しやすくします。

自律神経の乱れからくるものは、血流の調整不良や発汗の調整不良など体温調整がうまくできずに発症するものや、感覚神経系に何らかの異常をきたして「感覚異常」を引き起こしたりします。

温度感覚の異常があると「熱く感じる」といった反応がでて触ると熱くないのにほてっているように感じるといったことが起きたりします。

また、光がまぶしく感じるというのも感覚異常の一つです。まぶしさは目の光を感知するセンサーが感じているのですが、このセンサーが敏感になると「光過敏」の症状が出やすくなります。

治療は？

診察をしていくと、やはりホルモンバランスの失調のせいで自律神経が乱れている所見がみられました。

基本路線は「ホルモンバランスを整えることで自律神経の症状を抑える」ことで不調を改善するように働きかけていくことにしました。

治療１回目：症状は主に「不眠」「ほてり」「光過敏」で最初は週に１回ずつの治療から開始。

２回目：施術後３日ぐらい不眠が軽減、その後は少しずつ不眠が出てくる。まぶしさは感じてはき気・頭痛もある。

３回目：不眠は施術後１～２日で改善し眠りやすくなっている。まぶしさ、はき気、頭痛は少し軽減している。

４回目：眠りの状態は良い。まぶしさは軽減、頭痛・はき気はない。

５回目：眠りの状態は良い。少しまぶしさはある、1日だけ頭痛とはき気があった。

６回目：状態は良い。ここからは良い状態が維持できる力をつけていく段階へ。次回より２週間に1回の頻度へ。

７回目：まぶしさ・頭痛・はき気はあまりない。週末が少し眠りにくかった。

８回目：２週間で２日ほど眠りにくい日があったが、それ以外は元気に過ごせている。

９回目：調子の良い状態を維持できている。

１０～１２回目：まぶしさ・頭痛・はき気はかなり落ち着いているが、眠りにくい日が多い。

１３回目：症状はかなり軽減傾向。次回より３週間に1回の頻度へ。以降は定期的にメンテナンスを行いながら良い状態を維持できるように働きかけている。

かなり症状が軽減するまで１３回で約５ヶ月ほどでした。

施術者の思い

更年期の症状といっても様々です。更年期障害の症状のほとんどは「自律神経失調症」によるものです。自律神経は体の調整の約９０％を担っている神経ですので、調整が乱れてしまうと多種多様な症状が現れます。

M様のように「光過敏」という症状もその一種と考えます。更年期に入って何か不調があるならば自律神経を整えるように治療をすればかなり改善しやすくなります。