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2023年12月06日

症例110 顔面神経麻痺でお困りの30代男性

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こんにちは。院長の小畑です。





今回は来院の1か月前に発症した顔面神経麻痺でお困りだった患者様の症例です。




目次



  1. 患者様について

  2. どのような状態?

  3. そもそも顔面神経麻痺とは?

  4. どのように回復した?

  5. 東洋医学的見立て

  6. 施術者の思い





患者様について





I様 30代 男性 会社員





来院に1か月前より顔の左半分が動かしにくくなり、すぐに病院にて「ステロイド治療」を開始。治りが芳しくない為、鍼灸治療をしてみようとのことで来院されました。







どのような状態?





安静時は左右が非対称にならず、正常に見えるが、動作をすると動かない・動きにくい部分があるという状態でした。





おでこにシワを寄せる、鼻を動かす、口をへの字に曲げる、などの動作がほぼ出来ないような状態でした。





顔面神経麻痺の程度を計る「40点柳原法」というスケールがあります。40点に近づくほど正常に近づくものとなりますが、I様は約10点ほどとかなり重症の部類でした。







そもそも顔面神経麻痺とは?





顔面神経は脳から顔の筋肉へ向かう神経のことで、途中で何かの障害が起きて神経の流れが悪くなると、顔面神経麻痺が発生して顔の筋肉が動かなくなります。





原因としては一般的には顔面神経の「ウイルス感染」により神経に炎症や損傷が発生し神経伝達が悪くなることで発症するとされているものが多いです。その他に腫瘍や外傷で神経を圧迫・損傷させることで発症するものもあります。





またウイルス感染は疲労状態などで免疫力が低下している時に起こりやすくなります。





病院での治療は「ステロイド」で炎症を抑える、ヘルペスウイルスが原因の場合は「抗ウイルス薬」を使うなどが一般的です。







どのように回復した?





I様の場合、上記の治療が上手くいきませんでした。それは一般的に西洋医学で原因とされているものだけが原因ではないからです。





I様のお身体を診察していくと、胃腸の消化吸収があまり上手くできていない所見がみられました。胃腸の機能が低下していると栄養の吸収が減り、場合によっては顔面神経が正常に働くために必要な栄養が足りなくなり神経の働きが低下して顔面神経麻痺を引き起こしたりします。I様はこのケースであると判断しました。





治療の仕方としては、胃腸での消化吸収を促し必要な栄養を体に取り込めるようにして、顔面神経が正常に働くように働きかけていきました。治療は1週間に1回のペースで、症状の軽減に合わせて少しずつ頻度をあけていきます。





1回目:柳原法では10点と重症。額のしわ寄せ・鼻を動かす・イーと歯を見せる・口をへの字に曲げる・口笛をふくがほとんどできない。軽く目を閉じるも少しやりにくい。





2回目:額のしわ寄せ・イーと歯を見せる・軽く目を閉じるの動作が少ししやすくなっている。柳原法18点





3回目:額のしわ寄せ・口をへの字に曲げる動作が少ししやすくなった。軽く目を閉じる動作ができるようになった。柳原法24点





4・5回目:目を強く閉じる・鼻を動かす・頬をふくらませる・イーと歯を見せる・口をへの字に曲げるなどがかなりできるようになってきました。柳原法は24点。次回より2週間に1回のペースへ。





6回目:額のしわ寄せ・軽い閉眼・頬を膨らますの動作がほぼ正常になった。柳原法は28点へスコアアップ。





7回目:ほとんどの動作が正常になっている。強く閉眼する・口笛をふく・鼻を動かす・口をへの字に曲げるの動作がやや動かしにくい程度になっている。柳原法32点。





8回目:鼻を動かす・口をへの字に曲げる動作が正常になった。柳原法のスコアは36点とほぼ正常に。





9回目:すべての動作がほぼ正常になった。





以降は顔面神経麻痺の再発防止、日常的に元気に過ごせるようにすることを目的に間隔を空けて定期的にメンテナンスを行っています。







東洋医学的見立て





※ここでは専門的な解説をしています。興味のある方はご覧ください。





顔面神経麻痺は基本的に「風」の影響で気滞が生じ発生するのですが、診察上「脾虚血虚」から血虚生風という形で風が発生したと読みました。





脈は緩洪滑、気分・営分に反応あり。





舌は暗紫、薄白苔、痩、歯痕





その他所見:手の冷え、頭痛(前頭・側頭)、便秘(薬服用で出る)、夢をよく見る、夜中目が覚めるなど。





主に使ったツボ:陥谷、大都、迎香、太白、内関、百会など







施術者の思い





ステロイド治療で効果が著しい場合、治療1か月時点であまり回復が進まないということはありません。ですのであまり回復が順調でない場合、鍼灸治療の選択肢を早めにとられることをオススメします。鍼灸治療ではほとんどのタイプの顔面神経麻痺に対応しています。仮にステロイド治療がそれなりに効果があるタイプであっても鍼灸治療を併用することで驚くほど回復速度が上がります。顔面神経麻痺でお困りの方にはこのことを知って頂ければ幸いです。


要鍼灸院 とみお院

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