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2021年11月12日

症例75 首肩の痛みでお困りの女性

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こんにちは。藤森です。





今回は首をナナメ後ろに曲げると肩が痛い患者様の症例です。




目次



  1. 患者様について

  2. どんな状態だったの?

  3. 頚椎症とは?

  4. だいたいどれぐらいで回復したの?

  5. 痛みはどう変化していったの?

  6. 東洋医学的見立て

  7. 施術者の思い


 




患者様について





T様 50代 女性 会社員(デスクワーク)





主訴:首を右ナナメ後ろに曲げると首から肩にかけて痛みがある。





その他に、目の疲れや肩こりがありました。





来院の数週間前から右首~肩にかけて強い痛みが走るようになった。同時に右の手に痺れを感じる。様子をみていてもなかなか治らないとのことで来院されました。







どんな状態だったの?





首の関節の構造上、見上げるという動作は関節の骨と骨の間隔を狭くすることになります。通常であればその程度では痛みを発することはありませんが、T様の場合は何らかの影響で関節が狭くなったことで、痛みを発する「神経」を圧迫している状況でした。このような状態を「頚椎症」といいます。







頚椎症とは?





首の椎間板といわれるクッション(ジェルクッションのようなもの)や関節・靭帯などがなんらかの影響で首の神経を圧迫して、首・肩・腕・手・胸などに痛み・痺れ・だるさなどを来すものです。





軽度のものから重度のものまで幅広く、軽度では肩こりのようなだるさや、張るような感覚になったりします。重度のものは肩・腕・手に強い痛みや痺れが出たりします。





T様の場合は、痛みや痺れの様子から程度は中程度の椎間板からくる頚椎症だったと推測します。









だいたいどれくらいで回復したの?





T様の場合、1週間に1回のペースで治療していきました。途中で予定が合わず3週間治療が抜けてしまったこともあり、回復まで約2か月半くらいでした。通常であれば、おおよそ2か月以内で回復が見込めます。







痛みはどう変化していったの?





1~2回目:痛みはかなり軽減して痺れは無くなりました。





3回目:治療が3週間空いたこともあり、痛みが再発、以前より少し症状が重くなっていました。





4回目:2週間空きましたが、最初の1週間は4~5日は症状が軽く、その後は徐々に症状が出てくるような感じでした。





5回目:5日くらいは症状が軽くあとの2日が少し辛かったようでした。





6~8回目:ある程度深く首を曲げれるようになりました。痛みの加減は5回目と同程度のようでした。





9回目:1週間通して痛みはそこまで強く感じなかった。





10回目:前週よりも症状はさらに軽く。首を曲げる動作もより深くできるようになりました。





11回目:痛みを感じることもなく、日常生活で特に気になることもないようでした。





その後は状態が維持できるように間隔を空けてメンテナンスでお越しいただいています。現在のところ再発することもなく調子よくお過ごしいただいています。







東洋医学的見立て





ここからは専門性の上がるお話になりますので、興味のある方はお読み下さい。





脈は緩滑(丸みがあり、輪郭がはっきりせず緩い感じ)でした。他には肝臓に入る栄養が少ない反応(肝血虚)、体を回復させる力の低下を示す反応(腎精不足)が出ていました。





舌はピンク色で、白い苔があるという状態でした。





お腹は胃や小腸の働きの低下を示す部分が硬い。





症状は首肩の痛みの他に、目の疲れ(ドライアイ)、肩こり、胃腸の調子がちょくちょく悪くなるなどがありました。





これらの所見から、胃腸の働きがあまり良くなく栄養の吸収が上手くできていないことが推測されます。





また胃腸の働きが低下すると、余分な水分の吸収→排出が鈍くなったりするため、体に「むくみ」が生じやすくなります。





栄養が上手に吸収できないと、体の傷めている部分に必要な栄養が届きにくくなり治りが遅くなります。筋肉も柔らかさを保つためには、タンパク質や糖質などの栄養が必要となりますので、筋肉に栄養が上手に送られないと硬く緊張しやすくなります。そうなると、首肩周りの筋肉が緊張して骨と骨の間隔を狭め神経痛を起こす要因になります。





体のむくみは首の椎間板に影響を与えることがあります。椎間板は水分の多いジェルクッションのようなものです。体がむくむと、椎間板もむくみます、そうなると椎間板がはみ出し神経を圧迫してしまうこともあるのです。





T様の場合は「首肩周りの筋肉が硬くなってしまう」ことと、「椎間板がむくんでしまう」ことの2点がおもに痛みを発する神経を圧迫して頚椎症を引き起こしていると考えました。





これらをふまえて治療は、胃腸の働きを活性化させ、栄養吸収しやすくする作用、水分の吸収・排出を促す作用のある「水泉」というツボ。筋肉へ栄養を送り首肩周りの筋肉を張りにくくして柔軟性を保つ「曲泉」というツボを主に使って治療をしました。







施術者の思い





鍼灸院で首肩の痛みという症状はとてもよく診る症状ではあります。しかし傷めてしまう原因や体の状態によって治るまでにかなりの差があります。筋肉を傷めている場合であれば比較的早期に、関節周囲の軟部組織(靭帯・椎間板など)であれば回復に少し時間がかかることがあります。首や肩が痛くなったけれど、あれ?なかなか治らないという時はただ単に筋肉を傷めているだけではないかもしれません。関節周囲の組織を傷めたときは自力ではそう簡単に治らない・・・ということを知っていただければと思います。


要鍼灸院 とみお院

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