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2021年10月27日

症例73 便秘でお悩みの女性

症例


こんにちは。藤森です。





今回は長年の便秘でお困りだった患者様の症例です。




目次



  1. 患者様について

  2. そもそも便秘とは?

  3. なぜ便秘になるの?

  4. どれぐらいで良くなったの?

  5. 東洋医学的な見立て

  6. 施術者の思い


 




患者様について





M様 女性 主婦





お困りの症状:便通が少ない(3日に1回ぐらい)、お腹が張る





10代の頃から便秘で、効くとされるものは色々しているのに、あまり効果がなく特に来院直前の時はお腹の張りがひどくてかなりお悩みの様子でした。







そもそも「便秘」とは?





程度は人にもよりますが、何日も排便がなく、ひどい方だと2~3週間便が出ないという状態をいいます。





便が出ないことで大腸にどんどん溜まって、腹痛・お腹の張り・食欲不振などの症状を来すこともあります。







なぜ便秘になるの?





基本的には「蠕動運動(ぜんどううんどう)」という大腸の筋肉で便を動かして肛門まで運び排出を促していますが、この運動がなんらかの原因で低下してうまく便を排出できていないことが原因であることが多いとされています。





その他にも、潰瘍性大腸炎などで大腸の便の通りが悪くなって排出が上手くできなくなったりする病気によるもの、抗うつ薬で蠕動運動が働きにくくなったり、便秘薬の常服によって大腸の筋肉が弱って蠕動運動が弱くなったりする薬剤によるのものや、自律神経の乱れにより蠕動運動が低下したことによる便秘(自律神経の1つである交感神経が高ぶると大腸の動きが鈍くなる)などがあります。





M様の診察をしていくと、体質的な要素の他に、自律神経の乱れによる大腸の蠕動運動が低下している所見がみられました。





どれくらいで良くなったの?





M様がお若いのもありかなり回復が早く、1回目の治療後からお通じが2日に1回出るようになりました。





3回目の治療をする際にはお通じが1~2に1回あり、お腹の張り感もなくなり、ご本人もかなり喜んでくださりました。





その後は頻度を減らしつつ、日頃のメンテナンスでお越しくださっています。







東洋医学的な見立て





※ここからは少し専門的なお話が入りますので興味のある方はお読み下さい。





脈は緩細(輪郭がはっきりしないが細い脈)、胃腸の働きの低下を示す脈(脾虚)。





舌は薄いピンクだが暗い色、舌先から舌の縁にかけて赤い。





お腹は、みぞおちや胃、小腸、大腸の働きを示す部分に圧痛がありました。





あとは、手足が冷える、足がむくむ、肩こりがある、不妊症治療中などの身体的所見。





気をつかう性格、ややストレスの多い環境などの要素もありました。





これらの情報から冷え体質傾向であること、日ごろから気をつかうことの多い環境からのストレスで自律神経が乱れ気味になっていることから、大腸の蠕動運動が鈍くなり便通が少なくなっていると考えました。(脾腎陽虚+肝脾不和)





ですので、治療方針としては、胃腸を温めて大腸が蠕動運動をしやすい環境にすることと、体をリラックスさせてストレスによる自律神経の乱れを抑え大腸が動きやすくすることを目標に施術を行っていきました。





1診目:胃腸を温め動きやすくするツボ(衝陽)と体をリラックスさせ自律神経を整え、胃腸を働きやすくさせるツボ(太陵)を施術しました。直後にみぞおちやお腹を押すと痛みが出ていたポイントの痛みが無くなりました。これは胃腸が動き出した指標になります。この日はこれで終了。次回は1週間後に行いました。





2診目:2日に1回はお通じが出るようになり、お腹の張りも少し軽減しているようでした。次回は1週間後で。





3診目:1~2日に1回はお通じがあり、お腹の張りも無くなったそうです。ご本人も苦痛がほとんど無くなりかなり楽に過ごせるようになったとのこと。症状がかなり緩和されM様も日常生活で特に困ることはないとのことで、状態を維持しつつよりお通じが出やすいように現在では頻度をだんだん少なくしてメンテナンスという形でお越しいただいています。







施術者の思い





10代の頃から長年お悩みだった「便秘」が数回でかなり改善して、M様も大変驚かれていました。鍼灸治療は年配の方が受けるものと思われがちですが、M様のようにお若い方でも治療するケースはたくさんあります。もっと若い世代の方にも鍼灸の魅力を伝えていくことができるように働きかけていきたいと思います。


要鍼灸院 とみお院

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