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2021年09月08日

症例69 スポーツ中に起きた肉離れの回復を早めた症例(30代 男性)

ブログ 症例


こんにちは。





院長の小畑です。





今回はフットサルをプレーしている時に起きたふくらはぎの肉離れの回復を早めた症例をご紹介します。




目次



  1. ・患者様について

  2. ・実際にふくらはぎを診て

  3. ・「肉離れ」ってなに?

  4. ・治療頻度と回復の流れ

  5. ・打った鍼の本数

  6. ・テーピングでの補助

  7. ・東洋医学の目線から見て

  8. ・治療者の思い


 




患者様について





K様





32歳、男性





職業: 教員





主訴: フットサル中に痛めたふくらはぎ





小学校の教員をされているK様。もともとサッカーをされていたK様は少年サッカーの指導をされていたり、ご自身もフットサルチームに所属してプレーされていたりしていました。





今回はある日のフットサル中にふくらはぎを痛めてしまい、片脚を引きずって歩いている状態でご来院されました。





少年サッカーの指導もされており、指導中にボールを蹴ったりしないといけない状況もあるので、早く治せたら助かるとのこと。





鍼灸治療は一般的にあまり知られていませんが、このような外傷の回復を格段に早める治療をすることができます。







実際にふくらはぎを診て





状況をお伺いすると、外傷(ケガ)でしたので早速診察を始めました。





状況は以下のような感じ。





足首を背屈させるとふくらはぎが痛む。





歩くと痛む。





患部を触ったり押したりすると痛む。





痛む部分に少しだけ凹みがある。





走っている途中でふくらはぎが痛んだ場合、いわゆる「肉離れ」という状態になります。







「肉離れ」ってなに?





肉離れとは筋肉の中の線維が部分的に、または完全に切れることで痛みを炎症を起こす状態です。





走っている途中での肉離れでは、完全に切れるということは少なく、部分的に切れることが多いです。





その場合、筋線維が一部切れた箇所が少しへこんだ感じに見え、触ると痛み、伸ばしたり動かしたりしても筋肉が動くので痛みます。











治療頻度と回復の流れ





K様の場合、結果的に一回目の治療後、2~3日後にほとんど痛みのないところまで一気に回復されたため、一度で終了いたしました。





外傷は治療したその場で痛みがなくなるというよりも、「傷ついた組織の修復を促す」のが目的なので数日経過するなかで回復の経過をみてもらう形になります。





ケガの重さによっては肉離れの場合2~4回治療を繰り返すこともあります。





今回は当院公式LINEにて3日後に経過をお伺いしたところ、すでに痛みをほとんど感じないところまで回復しておられました。







打った鍼の本数





今回は5本でした。





ケガをしたのが冬で、外気に冷やされていたので、体表面の冷えを抜く鍼を二本。





胃腸を働かせて、体を中から温め、腎の働き(体の根本的体力)を高める鍼を二本。





脚の鎮痛のためのツボを一本。





患部を触った際の痛みの減り方、脈や舌、おなかの緊張の変化などから鍼が効いているのを確認しながら治療を進めました。







テーピングでの補助





回復を促す治療をしたものの、歩くとまだ少し脚を引きずるくらい痛みを感じる仕上がりでした。歩くときに患部に負担がかからないようキネシオテーピングで患部にかかる負荷を軽減して、患部に負担がかからないように補助しました。





(キネシオテーピングは患部の血流やリンパの流れを促す作用もあります。)







東洋医学の目線から見て





(ここからは治療の仕方についてもう少し具体的に踏み込んだ話です。興味のある方のみお読みください。)





外傷(ケガ)は今回のケースの場合、フットサルで思い切り急激に走った結果として筋肉が部分的に切れてしまったというものです。





西洋医学で気にかけるのはそこまでです。





しかし、東洋医学ではそのケガの前にあった体の状態を考えます。





「なぜ思い切り走った時に痛めたのか?」を追求するということです。





K様の場合、見えたことは二つ。





外気温の低さで患部が冷えたこと。





胃腸の働きの弱さで患部がややむくんだこと。





脈を診ると少し浮いて緩い。





体の表面が冬の寒気で冷やされている兆候が見えていました。





この体表面の冷えを抜く鍼を二本。





右足の申脈と左脚の足三里というツボに。





また脈は丸々としていて少し緩かったです。胃腸にたくさん食べ物が入っていたり、胃腸が弱くて食べたものを処理しきれていないときに出る脈でした。





K様は実際に軟便になりやすいという症状をお持ちで、腸で消化・吸収を上手にできない傾向がありました。





胃腸をうごかし、体全体が温まり血流がめぐるようにはたらきかけるとK様の筋肉はむくみにくく、こわばらない状態になると考えました。





胃腸を動かすのには、K様の場合、腎の働きが弱く、胃腸がぬくもりきらないということがありましたので、胃腸に直接働きかけるのではなく、結果的に「腎」のツボに働きかけることに。





かかとの近くの水泉と、腰の腎兪というツボに働きかけました。





そして最後に脚の鎮痛に使う崑崙というアキレス腱の近くにあるツボを使用。





3日後には痛みがかなり引いて普通に歩けるようになっていました。





通常であれば、脚を引きずるほどの痛みでしたので、安静にしておくだけではしっかり痛みが引くのに1週間~10日ほどかかっていた状況かと思われます。今回鍼灸治療により回復を各段に早められていたはずです。







治療者の思い





外傷になった時は、整骨院や整形外科に行く。





というのが世の中の通例だと思います。





もちろん、脱臼、骨折などの状況がある場合は、固定したり、ずれた骨や関節をきちんとした場所に戻しておかなければいけません。それらは「整復」という治療になり、これらのためには第一選択として上記二つの場所のどれかにいくことになります。





ただ、整復や患部の固定をしつつも





特に





「回復を早めたい!」





「早く治したい!」





というときに東洋医学的な鍼灸治療を使うというのは非常に有効な手段だと思います。





一般的にはこのことはあまり知られていないように思います。





「ケガ(外傷)は「安静」にして回復を待つのみ!」





これが常識とされていますが、





そこに





「回復を早めるのに東洋医学による鍼灸」





というのを入れていただけるとより回復を早める選択肢が増えます。





当院では整復はできませんが、テーピング等による固定は行えます。





そのことを知っていただきたいなと思います。


要鍼灸院 とみお院

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