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2021年06月19日

五十肩ってなに?どうやって治すの?

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要鍼灸院の藤森です。





肩の痛み・・・鍼灸院でよくみる疾患の一つです。





肩を動かした時に痛むもの、動かさなくても痛むもの、肩が痛いにもいろいろあります。





しかし、五十肩というのは少し特殊で、ただ肩を動かすと痛いというものではありません。





今回は肩の痛みの種類や五十肩との違い、鍼灸治療はどのような方向性で行うのかお話をさせていただきます。




目次



  1. そもそも五十肩とは

  2. つらい夜間の痛み

  3. 五十肩の原因

  4. 五十肩の治療





そもそも五十肩とは





五十肩の特徴は固まって可動域がかなり小さくなるのが特徴です。細かくいうと次のような3つ経過をたどります。





炎症期・・・五十肩の初期。動作の強い痛みと夜間の疼き(程度によっては眠れない)が特徴です。五十肩において痛みが一番つらく大変な時期になります。自然治癒までは個人差はありますが、軽症なら1ヶ月から症状が強いものだと3ヶ月以上かかることがあります。









拘縮期・・・五十肩の中期。動作の強い痛みと夜間の疼きが落ち着き、肩の可動域がかなり小さくなり「あまり痛くないけど、肩が固まって動かない。」という状態になっていきます。この期間は自然治癒にかなり時間がかかり、3ヶ月~半年ぐらいかかります。





回復期・・・五十肩の後期。可動域が段々広がり徐々に回復に向かっていきます。この期間を抜けると完治です。





この3つの期間を経て回復するものを「五十肩」といいます。





肩は上まで挙がるけど痛みがあるものや1カ月くらいで治ってしまう肩の痛みは五十肩ではない可能性がかなり高いです。







つらい夜間の痛み





五十肩の代表的な症状に「夜間痛」というものがあります。これがかなり痛くて夜が眠れなくなることもあるくらい辛く、五十肩において1.2を争う不快な症状でもあります。





この夜間痛も大きく分けて2種類あります。





1つめは、傷んでいる筋肉や腱の炎症で患部が腫れ、血流障害が起きて発生する痛みのケース。





2つめは、五十肩の激しい痛みが原因で、首・肩の筋肉が過剰に緊張してしまい、神経を圧迫して神経痛を発生しているケース。







五十肩の原因





また五十肩はその名前の通り、50代前後が好発年齢となっています。一般的に五十肩は「退行性変性(たいこうせいへんせい)」と言われ加齢によるものだと言われていますが、70代・80代ではほとんど発生しません。この年代で発生する肩の痛みの多くは炎症期・拘縮期・回復期の3つの過程をたどるようなものではないため五十肩ではないことがほとんどです。





当院の見解としては50代前後が好発年齢となっている理由として「ホルモンバランスの乱れ」の影響があると考えています。





また50代前後は男女ともに腱鞘炎やバネ指などしつこい筋肉・腱の炎症がおきやすい期間です。それは肩の関節まわりの筋肉も例外ではありません。当院で五十肩の治療で回復された方のほとんどがホルモンバランスの乱れに対する治療を行っています。







五十肩の治療





五十肩の治療において優先することは、上記3つの過程にある「炎症期」「拘縮期」を早く終わらせることにあります。





まずは炎症期で肩の筋肉・腱に発生している炎症を早く引かせて、夜間の痛みや動作での痛みを減らします。





炎症は「身体が余分な熱」をもつと悪化したり発生しやすかったりするとされています。それを抑えることで炎症がかなり早く引きます。





余分な熱をもつ主な原因はホルモンバランスの乱れ、暴飲暴食などがあります。





ホルモンバランスの乱れ・・・五十代前後になると卵巣から分泌される女性ホルモン(エストロゲンなど)が減少します。そうなると脳から分泌されるホルモン(主に黄体形成ホルモン)とのバランスがとれなくなっていきます。この脳から分泌されるホルモンは身体に熱をもたせる作用があるため、身体は余分な熱をもつことになります。(ホットフラッシュなどもこれの機序で起きることがあります。)また男性も女性ほどではないですが、50代前後でホルモンバランスの乱れが発生して余分な熱をもちやすくなります。





暴飲暴食・・・食べ過ぎ・飲み過ぎによる糖質や脂質過多によるカロリー摂取のし過ぎがあると、身体が余分な熱をもちやすくなります。カロリーは「熱量」と表記されるように、摂取過多は熱になりやすくなります。また、こちらは女性よりも男性で起きるケースが多いです。(男性はホルモンバランスの乱れと暴飲暴食による併発型が多い)





上記を落ち着ける治療を行い、炎症が引いてくると痛みが引き、筋肉がガチガチに固まります。そうなると肩の可動域が狭くなり「拘縮期」を迎えます。ここまでくると「五十肩における痛みの山は越えた」状態になります。





拘縮期では筋肉を柔らかく動かしやすい状態に戻せるようにしていきます。





筋肉の栄養状態を整え柔らかくなりやすくして、徐々にストレッチを行っていきます。治療と並行しながらストレッチを行っていくと、大体のケースで1~2カ月程度でかなり可動域が回復していきます。そうなると「回復期」を迎え可動域が徐々にもとに戻るようになっていきます。





五十肩というのは、そのままにしておいてもほぼ必ず治るものです。しかしとても回復に時間がかかるのが問題です。鍼灸をすると倍以上の速度で回復が進みます。一刻も早くこの苦しみから解放されたい・・・という方には非常に有用な治療です。




要鍼灸院 とみお院

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