2019年03月28日
症例9 肘が痛い女性(テニス肘)
症例
今日はテニスをされたわけではないですが、テニス肘になってしまった60代女性の症例です。
テニス肘というのは正式には肘の外側上顆炎(がいそくじょうかえん)といい、肘の外側が痛くなるものを総称して通称「テニス肘」
といいます。テニス肘をしていてバックハンドでボールを打っていると痛めやすいところからこの名前が付いています。
目次
患者様について
60代前半 女性
最もつらい症状: 左肘の外側の痛み(手首を動かしたり、中指を伸ばそうとすると肘が痛む)
伴う症状 : 肩こり
きっかけ : 工場での梱包作業のパートをしていて紐を締め上げる作業をたくさんしていて痛み始めた。
所見と治療
今回の肘の痛みは痛み始めたきっかけがハッキリとしていました。
手首を背屈させる筋肉は肘の外側にくっついています。この付け根の部分に繰り返し力がかかって痛んだものでした。
ケガのようなものなので、外傷向けの治療をしました。この方は以前から通われている患者さんなので体質を把握しているのですが、もともと血虚という血の中の栄養が足りない体質。
血が足りない体質の方は筋肉や腱への栄養が行き渡りません。ですからまずは血を補う治療として、脚のスネの内側の三陰交と血海というツボをチョイス。
ためと肘のラインを緩めるために、またまたスネの部分にある有名な足三里というツボを。
肩首の筋肉や患部周辺の筋肉はゆるんできました。ここまで肘のツボは一つも使っていません。血を作る補助として胃腸を動かす
ここで肘の痛みを取るため患部の曲池、
肘の痛みの特効ツボとして使われる痛んでいない方の腕のツボに針。
まだ痛みが6割ほど残るので、手の爪の横のツボを使いました。
痛みが5割以下になってきました
が、もう一息。
反対側の曲池と、膝の内側の曲泉。これらのツボは肘の痛みを取るだけでなく肩こりをゆるめる役割もあります。
ここで痛みが3割以下になった
ので、患部に円皮針というピップエレキバンのように貼り付ける針を貼って施術を終了。
経過
1週間後に再び来院された頃には痛みはずいぶんと減っていましたので、同様の施術をもう一度して、今回の痛みに関しては治療を終了しました。
2ヶ月後の来院時にご本人にお伺いしたところ、肘の痛みは前回施術後そのまま消えていったとのことでした。
施術して感じたこと
痛んだ理由がはっきりしていたことと、治療をし始めたのが早かったのがすばやい回復につながった症例でした。炎症は慢性化してしまうとなかなか痛みが引きにくくなり、すぐに再発を繰り返してしまいます。
もし、来院されるのがもっと遅かったら、もっと回復にも時間がかかってしまっていたでしょう。
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