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2022年08月20日

症例88 強迫症・うつ病でお困りの女性

症例


こんにちは。藤森です。





今回は長年の強迫性障害うつ病を併発されてお困りだった女性の症例です。経過が長いため治療もかなり長期にわたって行っております。





患者様について





K様 40代 主婦





来院される4~5年前から毎日掃除を徹底的にしないと気が済まなくなり、ここ1か月くらい前より気力がなくなり掃除の他にも何をするのも苦痛になってきた。同時に落ち着きが無くなり、何をしても楽しくない。という症状で来院されました。





具体的にはどういう状態なの?





K様は精神科で2年前より強迫性障害という精神疾患の診断を受けています。強迫性障害とは特定の作業やルーティンをしないと何か悪いことが起きてまうと思ってしまったり、何とも言えない不安感に苛まれたりする疾患です。要するに「~をしないと気が済まないという状態がひどくなったもの」です。





K様の場合は掃除がその症状にあたり、主に床・テーブル・お風呂がメインでここが少しでも汚されると時間関係なく気が済むまでしてしまうという状態でした。また外から家族が帰ってくると汚く感じてしまい玄関で着替えさせたり、床を汚さないようにスリッパを強要したりしてしまうなど過度に神経質になり周りを巻き込んでいる状態でした。周りを巻き込んでしまうのも強迫症の特徴です。





この強迫症の他に無気力・気持ちが落ち着かない・何をやっても楽しくないなどうつ病の典型的な症状も併発してしている状態でした。





無気力なのに掃除をしないといけない・気持ち悪いという二重苦になられていました。





どのように治療していくの?





精神疾患の治療は鍼灸だけでも可能ですが、精神科や心療内科で処方される抗うつ薬や抗不安薬などの併用が理想です。私の臨床経験上そのほうが穏やかに早く治りやすいと思います。





K様は心療内科ですでに抗うつ薬や抗不安薬を処方されていましたが効きがやや弱い状態でした。薬は腸で吸収されるものが多いです。鍼灸で腸の吸収をしやすくすると薬が効きやすくなります。





うつ病は無気力・不安感、強迫症は不安からの異常行動が代表的な症状です。いずれも西洋医学的には脳内神経伝達物質であるセロトニンやノルアドレナリンなどがうまく分泌できなくなることによって発生するとされています。





基本的に脳内神経伝達物質の原料食べ物です。こちらも鍼灸で胃腸の働きを良くして原料を吸収しやすいようにしていくと脳内神経伝達物質が作られやすくなっていきます。





回復までどれくらいかかったの?





うつ病の回復まで半年、強迫症がかなり改善するまで1年ぐらいでした。





途中からY-BOCSテストという強迫症の評価法を用いて数値化したところ、治療開始から1年で13点/40点となっていました。これは軽度の強迫性障害を意味します。その数か月前に初めて行った時は21点/40点と中等度の強迫性障害でした。徐々に改善が進み1年半で6点/40点と正常値になっています。





東洋医学的見立て





ここでは専門的なお話をさせて頂きます。興味のある方はお読みください。





脈:弦細、69難脾虚、左右尺位内側弱





舌:暗やや紅、痩





問診や脈・舌診より、腎陽虚→脾虚→心脾両虚がベースで脾虚→肝血虚→肝鬱気滞のルートにも派生があると考えられました。





主に使用したツボ:太陵、衝陽、太白、太衝、復溜、水泉など1回の治療でだいたい2~3穴を選穴。





上記の経穴で安神、補血、補脾気、温補腎陽・脾陽、補腎益精、疎肝理気などの作用を利用して治療を行いました。





施術者の思い





強迫症は過去に私も患ったことがある疾患でもあります。幼少の頃ですが1時間に何回も手を洗ったり、人が触れたものが汚く感じて拭いたり洗ったり、何かをしろと言われているような気がして落ち着かないなどの症状がでていました。その時、鍼灸治療を行い回復したことから私は鍼灸師を志しました。ですので強迫症は私の原点であり、同じ苦しみをお持ちの方の助けになればとかねてから思っておりました。そんな中、K様が強迫症でお越しになり徐々に回復されていき少しでもお役に立てたことを嬉しく思います。K様以外にも強迫症でお悩みの方のお役に立てるようさらに精進してまいります。


要鍼灸院 とみお院

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