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2022年03月30日

症例80 回転性めまいにお困りの女性(50代)

症例


こんにちは。





院長の小畑です。





今回は回転性めまいを何度も繰り返し、再発をなくしたいとご来院された患者様の症例です。




目次



  1. 患者様について

  2. 発症の背景

  3. 治療頻度は?

  4. 鍼の本数は?

  5. 治療の方針は?

  6. 回復の経過は?

  7. 東洋医学的な見立て

  8. 施術者の思い





患者様について





T様





女性 56歳





職業:障害者支援員





主訴:1か月前から再発を繰り返すひどい回転性めまい





嘔吐、手足のしびれ





主訴の経緯:





1か月前(26日前)に発症。





回転性めまいが起こり、気持ち悪さで嘔吐を繰り返す状況に。





手足のしびれも同時に起きてきて病院へ受診。





薬をもらいながら療養する。









1週間後 きつい回転性めまい・嘔吐が再発。





8日目には受診していた病院に入院することになり、6日間入院・治療を受けた。









退院後、さらに1週間後に再度きついめまいと嘔吐を起こし、同病院に救急搬送された。





その時は入院には至らなかったものの、過換気症候群のような状態にもなっていたとのこと。





メニエール病との診断は下りなかったので、正確な診断名はわからないとのことでした。





治療を受けていても何度もきついめまい発作を再発を繰り返すので





ネットで調べて見つかった当院を受診。









 




発症の背景





夫が重度の持病があり、介護状態が続いていたこと。





病院の転院等の問題を抱えていて、いろいろ悩みがあるが、相談できる方があまり周りにいないこと。





そして職場での人間関係がうまくいかず、自分の中でストレスをためてしまっていた。







治療頻度は?





週に一度の治療を3回





その後二週間に一度の治療を2回





三週間後に治療を1回





合計6回の治療で終了しました。







鍼の本数は?





二~三本の鍼で治療しました。





足に2本、頭頂部に1本という治療を全体を通して行いました。







治療の方針は?





毎日続く夫の病状や病院の転院手配の心配、ご自身の仕事の人間関係の悩みなどをおひとりで抱え、やや更年期後期の気分の落ち込みなども相まって気分も落ち込み少しうつ傾向に陥りそうになっているところ。という状況のように感じました。





それにより自律神経の働きも乱れ、内耳にある三半規管の蝸牛神経や前庭神経が過敏になっていることが推測されました。





診断は下りていませんが、メニエール病の可能性もあるなと推測しながら治療に入りました。





治療としては、体力・精神力の回復とストレスによる心身の緊張の緩和、また内耳を含む体側の神経の鎮静化をはかるということを治療の目標にいたしました。







回復の経過は?





初診時





発症から26日目での来院でしたが、2回目の救急搬送後は比較的小さなめまい発作が起きており、依然として「いつ大きなめまいがおきるか」を心配している状況で不安とのことでした。





一診目~四診目まで





めまいの発作はまったく起きず、安定しているように感じられた。その一方で、耳鳴りがうるさく、寝つきが悪いという症状が続いていました。





五診目





耳鳴りは依然として聞こえるものの、寝つきが改善し始め、気分としてはだいぶ楽になってきたとのこと。





六診目





めまいは受診後一度も起きず、寝つきも改善し、気分の落ち込みも改善してきたため、ご本人としても一旦治療を卒業して様子をみてみたいとのことでしたのでご卒業となりました。







東洋医学的な見立て





※この項目は専門的な内容が入るので、ご興味のある方だけお読みください。





脈:左緩細、右弦やや滑、左尺位内側沈位に弱脈





舌:やや暗、白苔、尖芒刺、辺紅暗





軟便になりやすい(ストレスがかかると)





易疲労





寝つきの悪さ、夜間目がさめる





上記所見より腎性不足(腎陽虚)→脾の陽虚→肝心血虚→胆経疎滞





という流れがあると推測された。





腎精不足(腎陽虚)→脾の陽虚→肝心血虚





の流れを整えるため、腎陽を補うことや、内耳の水腫などがあることも予想されるため、利水の目的も踏まえて、左水泉を選択。





胆経の疎通や、肝血を間接的に補う目的で左臨泣。





二診目以降は上記配穴に、少陽経の疎通・めまいの軽減を目的として百会を配穴した。







施術者の思い





ストレスにまつわるめまいを発症する方は非常に多いです。





今回のT様の症例も典型的な例だったと思います。





日々の問題になやみ、うつになるグレーゾーンにおられたT様。





めまいから解放されたと同時に、気分も明るく前向きになられたように感じました。





なかなかめまいを「抑える」薬を服用するだけでは根本的に問題が解決されず、再発を繰り返すケースがある回転性めまい。





東洋医学を駆使してきちんとした治療をすれば、よほど高齢でない限りスムーズな改善が望めます。





お困りの際はご相談ください。


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