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2021年04月24日

症例64 疲労感、めまい、不安、うつ、胸やけ、記憶障害などに悩む男性(20代)

症例


院長の小畑です。





今回は自律神経を乱し、様々な症状を発症していたアメリカ人男性の症例をご紹介します。




目次



  1. 患者様について

  2. 西洋医学的見立て

  3. 東洋医学的見立て

  4. 治療

  5. 施術者の思い


 




患者様について





T様 24歳 男性 アメリカ人 英語教師(ALT)





主訴:不安、疲労、めまい、胸やけ、頭痛、記憶障害、うつ





2週間ほど前から、疲れがとれない感覚を覚え始め、めまいが起きるようになり、視界がぶれるような感覚で一点を見つめられないようになってきた。物事を忘れやすくなり、不安になる。胸やけがおきる。





などの様々な症状が出るようになったとのこと。





小学校や中学校にてALT(Assistant Lanaguage Teacher)といって、英語の授業で英語の先生に帯同し、実際のネイティブの会話や発音を紹介するアシスタントの先生の仕事をしておられたT様。





しかし、日本での生活は気に入っており、生活で自覚的にはさほどストレスを感じているわけではないとのこと。







西洋医学的みたて





不安などの情緒障害、記憶障害、疲労感、めまい、胸やけ、頭痛などの症状が複合的にでる場合、どれも不定愁訴に含まれ、はっきりと目に見える原因があるわけではありません。





ですので、少なくとも自律神経の不調があることははっきりと言える状況という感じでした。





無気力感や、疲労感、不眠、不安などを含むことを考えると少し鬱の症状が出ているとも取れる状況でした。







東洋医学的みたて





脈は緩く細い。





舌はやや赤く、乾き気味





もともとベースに脾の気虚があるようで、脾胃が弱く、肝心が血虚状態になっている。





そして枯渇した陰がやや熱を帯びている。(東洋医学的表現)





わかりやすく現代の言葉で説明しますと胃腸が弱っている傾向で、それにより栄養吸収が悪く、血中の栄養が不足状態になっていること。





食欲も低下していたので、よりその傾向が強くなっていることが考えられました。





血中の栄養素が不足していると、脳内の虚血状態が起きて、健忘症状が起きたり、神経伝達物質の生成にも影響がおよび、不安や無気力など、うつのような症状が起きる場合があります。





また、脳の視床下部などの部位を介し自律神経の不調をきたす場合もあります。





上記のような状態があることが予想されました。







治療





初診~三診(1週間ごと)





上記見立てをもとに、





不安や不眠を落ち着けるため(安心、安神作用) 右の内関(心を落ち着け、不安を和らげる。夜に神経が静まり眠れるようになる。





脾胃の働きを補い、肝心へ補血する、(胃腸の消化吸収効率を上げて、肝臓や心臓、脳などにめぐる栄養を増やす。





ために





右の足三里(脚のすねにあるツボ、胃腸の働きを助ける)、





左の陰谷(膝の内側にあるツボ。肝臓に向かう血流を上げ、全身の筋肉や脳などに良質な栄養を届け、体の緊張を取り、リラックスさせるツボ)を使いました。





一診のあと、胸やけがなくなり、午後からの疲れがやや軽くなったとのこと。





しかし、疲れはまだ残存し、眠りが少し浅かったり、視界のブレがあったりするとのこと。





改善傾向なので、引き続き二診と三診も同様の施術を施すなかで、疲労感や視界のブレは改善してきていました。





四~七診(三か月後)





アメリカへ一時帰国していた。当初2週間ほどの予定だったが、伝染性単核球症にかかり、それが原因で甲状腺機能低下症を引き起こしていたことが発覚。急遽2か月アメリカで治療することになり、治療後日本へ帰ってきた。





アメリカでの治療では、疲れやすさや、不安、無気力などもこれによる自律神経の失調が要因ではないかと診断されたとのこと。





術者側としては自律神経を整える必要があることは変わりないので、そのまま治療を進めることにしました。





アメリカでの療養中に疲れ方はかなり回復し、視界の異変、胃もたれなどもはやない状態になっておられました。





少し夕方に疲れやすい症状、少しの不安感と少しの寝つきの悪さががあるとのこと。





以前よりはかなり改善しておられましたが、少し症状が残るので体調をより上げていくためにもうしばらく治療を継続





することになりました。





心を安定させ、不安を軽減し、睡眠をとりやすくするために右手首手のひら側のツボ(内関・安神心寧作用)





疲れやすさを取るために、脾胃の機能を上げる。胃腸を助けるすねのツボ(足三里)





体を温め、体力を上げるための腎のツボ(水泉・補陽補腎)





八~九診





少しねむりが浅い日があったり。そしてやや不安感があるとのこと。





六月で気温が上がり、少し体に熱がこもりすぎている。傾向があるため、補陽とともに体を潤し冷却するためのツボをまぜました。(内関、水泉、然谷)





ここから1か月後にT様はAssistant Language Teacher としての契約を終え、アメリカに帰ることになっていました。





ですので、ある程度症状としては改善し、細かい日常的な症状が少し残るという程度になっておりました。





あとは自身の回復力に任せていってもさほど問題がないところまできているなと感じました。





そこで日常のメンテナンスとしての治療はここで終わり。





あとは自己治癒力に任せましょうということになりました。







施術者の思い





7診察目が終わったころにT様よりびっくりする申し出がありました。





「鍼灸治療を受けてみて、その働きに感銘を受けたので、アメリカに帰ったら大学院で鍼灸を学び、鍼灸師になりたい。」





とのこと。





私としても、とてもびっくりしましたが、一人のアメリカ人青年の人生を動かすほどのインパクトを残せたのかと思うと鍼灸師冥利に尽きる一言でした。





T様は内気な方でさほど大きくご自身の感情を表現する方ではありませんでした。





疲れやすさや、胃もたれ、視界の異常、不安感、不眠と様々な症状をお持ちでしたし、細かい症状は突き詰めるとまだやや残ってはおりましたが、「鍼灸師を目指そう」と、それほどまでに思ってもらえたのは、それなりにご自身の感覚を変化させることができていたのだろうというふうに理解いたしました。





T様に負けないようがんばらないといけない。そう感じた瞬間でした。


要鍼灸院 とみお院

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