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2020年08月29日

症例48 五十肩の痛みに悩まされる女性

症例




今回は五十肩による肩の痛みがきつくてお困りだった50代女性の症例をご紹介します。




目次



  1. 患者様について

  2. 痛みの経緯と周辺症状

  3. 症状の現状と展望

  4. 東洋医学的見立て

  5. 治療期間中の経過

  6. 施術者の思い


 




患者様について






O様53歳、女性職業:パート事務員お困りの症状:6ヶ月前から左肩周辺が痛くなり、整形外科で五十肩と診断され、現在に至る。











痛みの経緯と周辺症状





発症して6ヶ月経つ。ここ数ヶ月は痛みがとても激しい時期もあったが、現在は痛みのピークは過ぎた。
しかし、いまだに夜寝ていても疼いて目が覚めてしまうこともあったり、仰向けで寝ていると肩が痛くなってきて同じ姿勢で寝続けることができなかったりする。
左肩関節の可動域は前に上げる動き 140度





横から上げる動き 100度
髪を結ぶ動作 可能腰の後ろで帯を結ぶ動作 不可(腰に手が回らない)







症状の現状と展望






五十肩は以下の3つの段階があります。





(1)炎症期痛みがきつく、うずくことも多い。
(2)拘縮期肩関節が固まり始める。動かせる範囲がかなり小さくなってしまう。時によっては水平まで腕をあげられないことも。
(3)緩解期徐々に肩の可動域が広がり、痛みも小さくなっていく時期





Oさんはちょうど(1)と(2)の間くらいのところでした。
6ヶ月経ってこの状態では回復のスピードが遅いなと感じました。このまま放っておけば完治までに1年以上かかってしまいそうなペースです。
通常放っておくと1年〜1年半かかってしまうような五十肩の経過を、鍼灸施術を行うことで半年以内に回復を早巻きさせてしまおうというのが鍼灸治療の狙いになります。
Oさんの場合、発症からすでに6ヶ月経っていました。ですので、1ヶ月程度で痛みを減らし、3ヶ月以内に今よりも可動域が広がるようにしていくということを目標にしました。







東洋医学的見立て





脈は左が細め、右が柔らかく丸め。
舌は淡いピンクに白い苔。
胃腸の栄養吸収が少し良くないのと、筋肉や靭帯、腱に良い栄養を乗せた血が回っていない模様。と読みました。







治療期間中の経過





1〜2診目は胃腸を助けるツボに、肝臓にめぐる血を増やすツボ。肩の痛みを減らすツボに針をしました。
しかし、施術直後は肩の可動域も上がり、痛みが消えるものの、夜間の痛み、通常時の痛みは戻ってきてあまり状態が好転している様子が見られません。
そこで、三診目以降は読み直し。ホットフラッシュがありホルモンバランスの乱れがあることに着目しながら注意深く診察すると体の潤いが不足して熱がこもる傾向の脈がみられました。
そこで、更年期のホルモンバランスの変化で体に熱がこもり、潤いが足りない状態を改善するため、体を潤し熱を冷ますツボの組み合わせに変更。





すると夜間の痛みがまず引き始め、可動域も徐々に広がり始めました。





四診目以降、治療間隔を2週間ごとの施術に広げました。
六診目の段階で気になる痛みがほとんどなくなったので、後の可動域を広げていく作業は自分で行っていくというO様の希望があったため、ここで一旦卒業といたしました。







施術者の思い





五十肩は痛みが回復していく先行きが見えていなければ、「いつまで痛いのが続くんだろう...」と不安になってしまいます。





まずは回復にはいくつかの段階がある事を知っていただき、現在地がどのあたりであるかを知っていただくことがとても大切です。





それが不安を取り除くことにつながるからです。





その上で回復がどんどん進むように鍼灸で治療を進めていけば、痛みの強い期間を短期間で乗り越えられます。





それをうまく表現できた症例でした。




要鍼灸院 とみお院

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